2023年6月16日金曜日

3Dプリンターでプリント基板自作の覚え書き

はじめに

ちょっとした基板の作成はレーザープリンターを使用していたのですが、プリンターの劣化かトナーののりが悪かったので3Dプリンターをプロッターとして使用する方法を試した時のメモ書きです

ちなみにレーザープリンターのほうが手間がかからず、完成品もきれいです(個人的見解)


手順

  1. 基板デザイン
  2. SVG作成
  3. STL作成
  4. gcode作成

国土地理院謹製のblind_mapなら、画像からSTLを出力できます

基板デザイン

画像出力か、印刷できるソフトで回路を書きます

今回KiCadを使用しています
サンプルとして、ブレッドボード用の某ゲームコントローラー風のボタンを作成しました
生基板の切れ端(16ミリ×30ミリ)を使用する予定なので詰め込み気味です
(印刷時には更に詰め込みました)


表面(F.Cu)を出力



印刷はPDF形式で出力



SVG作成

3Dモデリングソフトが取り込める形式としてSVGを作成します
PDF形式もSVG同様にベクターデータを扱いますが、単一のパスレイヤーに変換した方が便利なのでその処理も行います

InkscapeにPDFファイルをインポート
背後にある背景用の白矩形パスを削除(見やすくなる)


パスデータを元にbmpを作成するのですが、デフォルト設定(96dpi)ではぼやけてしまうので解像度を変更
Preferences(shift+ctrl+p,環境設定)のImported Images(インポートした画像)のResolution for Create Bitmap Copy(作成するビットマップコピーの解像度)のdpiを十分に大きな値にする


パスを全選択(ctrl+a)した状態でMake a Bitmap Copy(alt+b,ビットマップのコピーを作成)
イメージ(bmp)選択状態でTrace Bitmap(shift+alt+b,ビットマップのトレース)でパス化
黒い部分のパスが作成されます

下画面の右側がレイヤー情報です

  • path1260がビットマップから作成されたパス
  • image1257が作成されたビットマップ
  • Page 1がインポートした最初のパス群

path1260以外を削除

Plain SVGでエクスポート

STL作成

blenderにSVGをインポート
SVGデータはカーブデータとして扱われるのでメッシュに変更
x,yを938倍します(何故このサイズになってしまうのか分かりません)
モディファイアのデシメートで平面を纏め(ポリゴン数の削減)
押し出して立体化
選択したオブジェクトをSTLで出力(export SelectionOnly)


gcode作成

STLファイルを使い慣れたスライサーに取り込んでください

PrusaSlicerを使用しています
ポリ数が多いと読み込めない
retract before travelを0ミリにしないとエクストルーダーを持ち上げない場合があるので注意


おまけ

印刷などは個人の環境に依存する部分なので流します、以下は参考程度に

片面銅張基板はエクール(の切れ端)を使用(銅箔厚み35μm)
トンボ付けたりして実際に印刷したデータと上の記事中のスクリーンショットは異なる
噂通りマッキー青が優秀なレジストペンだった
ベタ塗りや太線はインクの薄い部分ができてしまう
下写真はワイヤー幅1ミリ
ワイヤー幅0.5ミリでも問題なさそう(コーナトンボの線幅が0.5ミリ)
下段の写真の銅箔表面がテラテラしてるのはコーティング剤



実際の印刷は3Dプリンターで適当なペンホルダーを作ります

例えばpen plotterやdrawerやholderで見つかるかと
Pen Holder for Ender 3 / Ender 3 pro/CR 10/Ender 5
Ender 3 Pen holder for plotter
3D printer multi-function/ Imprimante 3d Multi-fonction 

設定は

  • フィラメントを抜く、または押出させない
  • ノズル温度 first_layer_temperature と temperature を0度
  • ベッド温度 first_layer_bed_temperature と bed_temperature を0度
  • 必要ならノズル用のファンの停止(ペンが乾く)
  • リフトZ(filament_retract_lift)を設定(travel時にエクストルーダーを持ち上げる)
  • ノズル径をペンの太さに
  • retract_before_travelを0ミリ(値以下のtravel時にエクストルーダーを持ち上げない)
  • first_layer_heightの調整 

他にも色々調整したけど主要なのはこれくらい




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